人財戦略

人財育成方針

環境変化が加速し、多様化・高度化するお客さまニーズに沿って西日本FHのグループ総合力・ソリューション機能を提供していくためには、お客さまとの接点を担う従業員一人ひとりの役割が一層重要となります。

西日本FHグループは、従業員の専門性の向上、スキルアップに向けた「人財育成」の取組みを一段と強化するとともに、多様な人財が自身の業務にやりがいと誇りを持って取り組んでいけるよう、働きがいのある職場づくりを進めるなど、当社ビジネスの競争力の源泉である「人」への投資を強化しています。

「人」への投資強化

人事戦略

あるべき人財ポートフォリオの実現

本中計では、経営戦略と連動した「戦略的人事」を志向し、階層別・業務別研修や、リスキリングに向けた研修の拡充等を通じ、従業員一人ひとりの成長を強力に後押ししています。

特に、コンサルティング・DX・企画等の各分野において西日本FHグループの将来を担う人財を「戦略人財」と定義し、あるべき人財ポートフォリオの構築に向けて、戦略人財育成の取組みを本格的に進めています。

人事戦略図

エンゲージメント向上に向けた取組み

経営戦略の実現に向けて、従業員が能力を十分に発揮するためには、従業員が働きがいを感じ、誇りを持って業務に取り組むことができる環境の整備が重要です。

本中計において、西日本FHグループは、多様性に富み活力溢れる組織風土の基礎となる「心理的安全性」と「目的意識」を両立した自律性の高い職場づくりに取り組んでいます。さらに、西日本FHグループのイジゲングループが提供するエンゲージメントサーベイ(商品名:ポテンシャルクラウド)を活用し、組織の状況を可視化・分析したうえで、エンゲージメント向上に向けた施策を展開しています。

エンゲージメントサーベイの結果(西日本FHグループ)

2024年度は、初めて西日本FHグループ全体でエンゲージメントサーベイを実施しました。“現在視点”における評価(事業計画への共感などの「アクションマネジメント」や心理的安全性の支援力などの「ケアマネジメント」)は、概ね良好であることが確認できた一方で、西日本FHグループ及び自身の将来に対する期待などの“将来視点”における評価(会社の方針への共感などの「ビジョンマネジメント」やキャリア/成長の支援力などの「キャリアマネジメント」)に改善の余地が見られました。

エンゲージメントサーベイの結果(西日本FHグループ)

エンゲージメントサーベイの結果(西日本シティ銀行)

西日本シティ銀行は、「成長実感」「当行で働くことに対する誇り」「心理的安全性」「目的意識(ビジョン・理念)の浸透度」をエンゲージメントを測るうえでの重要項目と位置づけ、経年で比較しています。2024年度は、いずれの項目も前年度比上昇しており、従業員のエンゲージメントが高まっていることが確認できました。

従業員意識調査の結果

ピープルアナリティクスの活用

西日本シティ銀行は、個人の職歴やキャリアビジョン等のさまざまな人事情報を一元化・可視化し、それらの情報を分析することで、採用や育成などさまざまな人事業務に活用しています。

ピープルアナリティクスの活用

人財育成

戦略人財の育成

西日本FHグループは、経営戦略の実現に必要となる、各分野において高い専門性を持つ人財を「戦略人財(コンサルティング人財・DX人財・企画人財・専門人財)」と定義し、あるべき人財ポートフォリオの構築に向けて、計画的に育成しています。

戦略人財の考え方
  • ※スペシャリスト・コア人財・ベース人財の区分は、「専門資格の取得」や「業務経験」等の要件をもとに社内において認定。

コンサルティング人財

タックスプランニングや事業承継、資産運用、不動産等に関する幅広い知識を持ち、お客さまの多種多様な課題に対して、お客さま一人ひとりのニーズに沿った解決策を提案(“One to Oneソリューション”)できる人財

各種高度資格取得に向けた支援プログラムの実施

中小企業診断士、FP1級、宅地建物取引士 等

受験対策セミナーの実施

財務2級、FP2級 等

コア人財 現中計計画300名 2025年3月末実績208名
スペシャリスト 現中計計画30名 2025年3月末実績75名

DX人財

ビジネス環境の変化に対応し、高度なデータ処理技術やデジタル技術を活用することで、社内外の組織変革やビジネス変革を提案できる人財

DXスキルの強化に向けた育成プログラム・研修の実施

DXリテラシー研修、データエンジニア育成プログラム 等

受験対策セミナーの実施

ITパスポート、金融業務3級DX支援コーディネータコース 等

コア人財 現中計計画1,100名 2025年3月末実績636名
スペシャリスト 現中計計画90名 2025年3月末実績58名
AIを活用したビジネス変革に取り組む人財の育成

イジゲングループは、起点力に優れた人財を育成するため、全従業員を対象としたハッカソンを開催しました。ハッカソンでは、「地方創生」をテーマとして、生成AIを活用した、アイデアの創出や具現化、試作や改善等に取り組みました。

  • ※ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語。短期間に集中して開発作業を行うイベント。
全従業員を対象としたハッカソンの様子

企画人財

客観的なデータに基づき、外部環境や西日本FHグループの課題を俯瞰的にとらえ、西日本FHグループのさらなる発展に向けて、組織の垣根を越え全社的な見地に立った企画を立案・実現できる人財

ビジネススクールへの派遣
学校法人 先端教育機構 事業構想大学院大学
OBS 九州大学ビジネス・スクール Kyushu University Business School
KAIL THE KYUSHU-ASIA INSTITUTE OF LEADERSHIP

etc.

自己啓発ツールの提供
ûdemy business™

企画スキルアップ研修動画(配信)

etc.

コア人財 現中計計画90名(維持) 2025年3月末実績97名
スペシャリスト 現中計計画100名 2025年3月末実績86名

専門人財

専門性の高い部署で、中核として活躍できる人財

  • ※コンサルティング人財・DX人財の育成とは、全従業員を対象として、コア人財・スペシャリストの総数を増加させていく取組み。また、企画人財・専門人財の育成とは、企画部門や専門部署等に配置された本部行員を対象として、専門的なスキルや経験値を高めていく取組み。

階層別・業務別育成

階層別研修体系

西日本シティ銀行は、新入行員から部店長職階に至るまで、それぞれの職階に求められる役割に応じた階層別の研修を、切れ目なく実施しています。

階層別の研修

キャリア支援

西日本シティ銀行は、多様な個人の成長が西日本FHグループの成長につながるとの考えのもと、従業員一人ひとりが明確なキャリアビジョンを持ち、その実現をサポートするための制度や機会を提供しています。

キャリア支援メニュー

業務別研修体系

西日本シティ銀行は、「渉外営業」「個人営業」「店頭サービス」「本部業務」など、さまざまな業務に必要とされる知識やスキルを身につける研修を拡充し、従業員一人ひとりの成長を強力に後押ししています。

業務別研修体系

若手行員の育成サポート

西日本シティ銀行は、営業店OJTについてのガイドラインや行動ルールを制定し、育成を担う支店長や上司に研修を実施することにより、OJTの標準化・育成環境の均質化に取り組んでいます。また、経験の浅い若手の営業担当のコミュニケーション力やお客さまへの提案力を高めるため、先輩の営業担当がマンツーマンで指導するペア体制を構築しているほか、ベテラン行員の持つ事業性融資の組立てや与信判断のスキルを継承するため、ベテラン行員からなる「融資育成支援チーム」を組成し、若手の営業担当の指導にあたっています。

OJTの標準化 (ガイドラインや行動ルールの制定) 先輩行員と若手行員のペア体制 「融資育成支援チーム」による若手営業担当のサポート

リスキリング支援

資格取得支援

西日本シティ銀行は、急速に進展する技術革新やビジネスモデルの変化に対応するため、ITやDX関連の研修を拡充しています。また、高度資格の取得を目指す従業員に対し、専門学校等への通学費用の補助や、資格取得に向けて従業員同士が切磋琢磨する各種「合格支援プログラム」を用意しています。

資格取得者数 中小企業診断士 35名 FP1級 161名 宅地建物取引士 239名 (2025年3月末)
IT/DXに関する資格取得支援 専門資格取得支援特待制度

外部研修

西日本シティ銀行は、客観的なデータに基づき、外部環境や西日本FHグループの課題を俯瞰的にとらえ、グループのさらなる発展に向けて、組織の垣根を越え全社的な見地に立った企画を立案・実現できる企画人財を育成するため、外部研修を積極的に活用しています。

外部研修の累計派遣実績 220名 (2004年4月~2025年3月)
企画力を磨く外部研修 [外部研修・トレーニー等] 九州大学ビジネススクール 事業構想大学院大学 九州・アジア経営塾 etc.

リスキル研修

西日本シティ銀行は、本部・営業店間の異動や、再就職の支援にあたり、リスキル研修を実施しています。

本部系リスキル研修 営業系リスキル研修 再就職支援系リスキル研修

キャリアビジョンの実現を支援する制度・取組み(西日本シティ銀行)

FA(フリーエージェント)制度

行員が自身のキャリアパスを実現するために、希望する部門や職務に自ら手を挙げることができる制度です。行員が自らの意志でキャリアの選択ができるよう、挑戦する機会を提供することで、個々の成長を促進し、組織全体の活力と柔軟性を高めることを目的としています。

行内インターンシップ制度
行員が、自身の興味・関心が高い本部業務を実際に体験することができる制度です。本部業務に対する理解を深めるとともに、今後のキャリア形成にも役立てることができます。
制度利用者の声

営業店で渉外営業担当としてお客さまを担当していましたが、世の中のDXの進展が予想以上に速いことを肌で感じており、もともと本部の業務にも興味があったことから、行内インターンシップ制度を活用して、IT統括部の短期インターンに参加しました。

実際にIT統括部の業務を経験したことで、IT技術が銀行業務に与える影響を実感したため、FA制度を活用してIT統括部に異動しました。

お客さまのニーズの多様化とともに、銀行の役割も大きく広がっています。営業店での経験を活かしつつ、ITの専門知識を身につけることで、お客さまと銀行、双方の発展に貢献していきたいと思います。

IT統括部 飯盛行員(2019年度入行)
キャリア面談

若手行員(主任職階以下の行員)は、これまでのキャリアやスキル、今後の目指すキャリアを“キャリアデザインシート”に整理します。所属長は、このシートを基に対象者と面談を行い、目指すキャリアの実現に向けたアドバイスを行うことで、対象者のキャリアプランを明確にし、実現に向けたサポートを行います。

1on1ミーティング

部下と上司との対話については、部下が自身の考えや意見を自由に表現し、上司が適切なフィードバックやアドバイスを行うことで、部下の成長を促進するとともに、双方の信頼関係を深めます。

360°フィードバック

支店長や課長などの管理職を対象として、対象者の行動が「周囲にどう伝わっているのか」「周囲にどう受け取られているのか」を整理し、フィードバックする仕組みです。管理職は、自身の「強み」や「課題」に対する自己認識と周囲の認識のギャップを理解し、マネジメントスキルを高めることで、組織力の向上を図ることを目的としています。

人財育成に関する主な実績

働きがいの向上

環境整備

西日本FHグループは、従業員の処遇改善やオフィス環境の改善(西日本シティ銀行本店本館ビルの建替え、店舗のリニューアル、ビジネスカジュアルの導入等)を通じて、従業員一人ひとりがいきいきと働くことができる職場環境を整備しています。

従業員の処遇改善

賃金水準の引き上げ

3年連続平均5.0%程度(定例昇給を含む年間賃金換算ベース)

(西日本シティ銀行)

初任給の引き上げ

2026年度入行者より27万円(2023年度21.5万円→2024年度24万円→2025年度26万円)

(西日本シティ銀行)

持株会奨励金の引き上げ

2024年10月拠出分より10%(5%→10%)

(西日本シティ銀行)

オフィス環境の改善

西日本シティ銀行本店本館ビルの建替え

西日本シティ銀行は、2026年夏ごろの開業に向け、本店本館ビルの建替えを行っています。新本店ビル(仮称)においては、全従業員の働きがい・エンゲージメントの向上に資する、充実した福利厚生設備を設置する予定です。

福利厚生設備の例
ナレッジスペース リフレッシュスペース コワーキングスペース 集中スペース
西日本シティ銀行本店本館ビル
【新本店ビル(仮称)の主な特徴】

大規模立体広場

  • 博多駅との回遊性が向上する大規模立体広場「コネクティッドコア」を整備
大規模立体広場

環境への配慮

  • 歩行者目線からの緑化空間を創出
  • 優れた環境配慮技術の採用により、「ZEB Ready」の認証取得を目指す
緑化空間

多用途に利用可能なホール

  • コンサート・セミナー等、多用途に利用可能な約400人規模の地下ホール
  • 災害発生時には、帰宅困難者の一時滞在施設としても提供可能
地下ホール
店舗のリニューアル
筑紫通支店(2023年9月)
伊万里支店(2024年11月)
香椎支店(2024年11月)
井尻支店(2025年2月)

(西日本シティ銀行)

ビジネスカジュアルの導入
ビジネスカジュアルの服装

本部勤務者 2024年5月~
営業店勤務者 2024年10月~

(西日本シティ銀行)

ダイバーシティ&インクルージョン

西日本FHグループは、中長期的な企業価値の向上のため、多様性に富み、活力ある組織づくりに力を入れています。2008年より本格的に取り組んでいる女性の活躍推進に加えて、近年では、多様なスキル・経験を持った人財のキャリア採用を進めています。

新卒採用・キャリア採用

西日本シティ銀行は、2025年4月、店頭における接客業務を担う役割として2024年度より採用を再開した地域特定職78名を含め、過去最大となる293名の新卒者を採用しました。また、2024年度(2024年4月~2025年3月)において、即戦力となる44名を採用しました(キャリア採用)。

新卒採用者数(2025年4月入社)
計293名 総合職182名、地域総合職33名、 地域特定職78名 (うち高卒者37名)
キャリア採用者数(2024年度 累計)
計44名 2025年3月末在籍者数 111名
採用広報活動におけるデジタルツールの活用 ~採用DXパッケージ「タレトレ」の活用~

西日本FHグループは、イジゲングループが提供する採用DXパッケージ「タレトレ」を活用し、デジタルツールによる広報活動を実施しています。

各銀行のサイトでの活用の様子
タレトレ

企業の強みを活かした採用Webサイト・採用説明会資料の制作や、採用SNSの立ち上げ、分析・改善までをワンストップで提供する、イジゲングループが提供するパッケージサービス

女性活躍推進

西日本シティ銀行は、2008年4月にスタートした中期経営計画「NewStage2008」において「女性の積極登用」を掲げて以降、法令を上回る両立支援制度の整備や、営業職・管理職への積極登用など、女性行員の活躍推進に積極的に取り組んでいます。その結果、課長職以上にある女性管理職の比率は、2025年3月末時点で15.4%と、取組み当初(1.6%)と比べ9倍以上へと大きく向上しました。特に、主任職階における女性労働者は、60.5%と男性労働者を上回っており、次世代を担う管理職候補者も着々と育っています。

両立支援制度
【キャリア開発プログラム】
キャリア開発プログラムの各カリキュラム

ダイバーシティ&インクルージョンへの取組みの歴史(西日本シティ銀行)

健康経営

西日本FHグループは、役職員の心身の健康及び働きがいのある職場づくりを進めることが、お客さまへの良質なサービス提供につながるという考えのもと、健康経営を推進しています。

また、西日本シティ銀行は、頭取及び人事部担当役員の下、人事部・健康保険組合・職員組合・産業医及び保健師が協働する「健康経営推進会議」を立ち上げ、従業員の健康保持・増進に向けた施策の立案・実行・評価・改善に取り組んでいます。

グループ健康経営宣言

私たち西日本FHグループは、グループ経営理念およびグループサステナビリティ宣言の実現に向け、お客さまのパートナーである役職員の健康保持・増進に取り組んでまいります。

役職員の健康保持・増進の取り組み

西日本FHのブランド向上に関する取組み

ブランチコミュニケーション

西日本シティ銀行は、従業員に対し、当社のビジョン等への理解の促進及びエンゲージメントの向上を図るため、経営陣が全職場を訪問するブランチコミュニケーションを実施しました。経営陣による西日本FHグループのこれまでの歩みや経営理念の成り立ちについての説明や従業員へ向けたメッセージの発信、従業員との対話等を通じて、双方の理解を深めました(2025年2月~6月開催)。

ブランド研修

西日本シティ銀行は、若手行員を対象に、西日本FHグループの沿革や経営理念・スローガンに込めた想い、ブランドの体現者としての役割などへの理解を深めるため、ブランド研修を実施しています。

グループフェスティバルの開催

西日本FHグループは、グループの一体感の醸成や従業員エンゲージメントのさらなる向上を目的として、「西日本FHグループフェスティバル」を開催し、西日本FHグループの役職員やその家族約5,300名が参加しました(2024年11月開催)。

役職員による人⽂字アート
  • ※「みんなの“ココロ”をひとつに」をテーマに、役職員による人⽂字アートにチャレンジ。
ブランドCM/ポスター

西日本シティ銀行は、「銀行は、人だ。」をテーマとしたCMの放映や、CMに連動したポスターの掲示などを行っています。

CMの放映の様子
福利厚生パッケージサービス

西日本FHグループは、映画やレジャー、飲食店での割引のほか、旅行や育児・介護サービスで補助金等が利用できる便利でお得な福利厚生パッケージサービスを導入しています。

自己啓発 約1,600メニュー 旅行宿泊補助金 @1,500円/年5回 映画チケット @800円/年5枚 レジャー 約1,700施設グルメ 約3,200施設

外部評価

外部評価のリスト